魔術師、錬金術師人名録

魔術師

架空、実在を問わない著名な魔術師、錬金術師の人名録です。
他にも神秘学、オカルティズムに関わりの深い人物や東洋の陰陽師、道士なども取り上げます。
魔術師、錬金術師や神秘に関係の深いキャラクターの名付けの参考になれば幸いです。

目次(クリックで開閉)
  1. アブドゥル・アルハザード
  2. アレイスター・クロウリー
  3. オルフェウス
  4. キルケー
  5. クリスチャン・ローゼンクロイツ
  6. サン・ジェルマン伯爵
  7. ゾロアスター
  8. ソロモン
  9. ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ
  10. パラケルスス
  11. ピコ・デラ・ミランドラ
  12. ヘルメス・トリスメギストス
  13. ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー
  14. マーリン
  15. メディア
  16. ヨハン・ゲオルク・ファウスト
  17. 安倍晴明
  18. 加藤保憲
  19. 張角
  20. 蘆屋道満

アブドゥル・アルハザード

ウマイヤ朝時代のイェメンで活躍した詩人で、クトゥルフ神話内の伝説的魔道書「ネクロノミコン」の原作者とされる妖術師でもある。
架空の人物。

アレイスター・クロウリー

魔術秘密結社のA∴A∴(銀の星)の創設者にして、黄金の夜明け団やO.T.O.(東方聖堂騎士団)とも深い関わりのある魔術師。
19世紀から20世紀にかけての実在の人物であり、西洋魔術からグノーシス思想、エジプト魔術、さらにはクンダリーニ・ヨガなどを取り入れた新たな思想と魔術を模索、実践していた。
キリスト教に批判的な思想や言動から当時の大衆紙を大いににぎわせた人物でもある。

オルフェウス

ギリシア神話に登場する冥界を往還した伝説的吟遊詩人。
オルフェウス教と称される密儀に重きを置く宗教の開祖とされ、魔術師的な存在とも見なされる。

キルケー

ギリシア神話に登場する魔女。
薬草と薬学の膨大な知識や霊を召喚して預言を引き出す力を持ち、人を家畜や怪物に自在に変える事ができるという。
父は太陽神ヘリオスであり、彼女自身も元来は月または愛の女神であったとも考えられている。

クリスチャン・ローゼンクロイツ

伝説的な秘密結社薔薇十字団(ローゼンクロイツ)の主宰者にして魔術師。
ドイツに生まれ、イェルサレムからモロッコ、スペインまでを巡り各地の知識や魔術を吸収した後にドイツに帰国し結社を立ち上げたと言う。
ただし、薔薇十字団ともども実在しない架空の存在である。

サン・ジェルマン伯爵

18世紀のフランス、イギリス、ドイツなどで活動した人物。
5万年を生きている、もしくは5万年の間転生を繰り返し様々な歴史的な場面に立ち会ってきたと自称した。
科学、芸術、錬金術などに精通し多言語に堪能で東洋にも造詣が深かったという。

ゾロアスター

ドイツ語ではツァラトゥストラ。
ゾロアスター(拝火)教の開祖にして人類最初の魔術師ともされる人物。
紀元前1750年から紀元前1200年頃の人物とされるが、紀元前6000年頃と言う説もある。
様々な知識の最高体現者としてイスラム教にも影響を与え、哲学者ニーチェも自著「ツァラトゥストラはかく語りき」にて自身の思想を仮託する存在として取り上げている。

ソロモン

ヘブライ王国の第三代の王。
紀元前1000年頃の人物とされるが実在は確認されていない。
優秀な政治家にして優れた知者、そしてソロモン72柱の悪魔や精霊を使役する魔術師とされる。
「ソロモン王の鍵」「レメゲトン」などの魔術書は彼の著作とされる。

ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ

ネッテスハイムのアグリッパと称されるルネサンス期ドイツの実在の人物。
カバラに造詣が深くパラケルススと並ぶ伝説的な魔術師とされ、神学、法律、医学、哲学なども学び外国語にも堪能であった。

パラケルスス

本名はテオフラストゥス・ホーエンハイム。
ルネサンス期の実在の錬金術師にして魔術師。
医学、工学、魔術、錬金術、占星術などを修め、悪魔を封じたパラケルススの剣(アゾット剣)を携え、ホムンクルスの創生に成功したとも言われる。
魔術師や錬金術師と呼ばれる人物の中でも最も有名な人物の一人。

ピコ・デラ・ミランドラ

ルネサンス期イタリアの人文学者。
法学、神学、哲学などを学び博識で弁も立ったと言う。
神秘主義にも傾倒しカバラを極めたとされる。
異端の嫌疑をかけられ捕縛されるも、メディチ家の尽力で解放されている。

ヘルメス・トリスメギストス

伝説の錬金術師。
「ヘルメス文書」なる魔術、占星術、錬金術、ピタゴラス数学などについて記述された教えがエジプトに伝わったとされる。
実際にはエジプト神話のトート神と、ギリシア神話のヘルメス=メルクリウス神を習合して作られた架空の存在。

ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー

通称ブラヴァツキー夫人。
19世紀のロシアの霊媒師にして近代オカルティズムの創始者の一人。
前半生で日本を含めた世界を巡り、各地の神秘学や秘儀を学んだとされる。
後に神智学協会を設立し、その活動と著作は現代に至るオカルティズムに多大な影響を与えている。

マーリン

アーサー王伝説に登場する魔術師、予言者。
元はケルトの伝承の存在でドルイドであり、キリスト教から見た異教の魔法使いとしてのイメージが多分に加わえられている。
現在の西洋における魔術師の元型とも言え、指輪物語のガンダルフなども彼の影響が色濃い。

メディア

メデイア、メーデイアなどとも。
ギリシア神話のアルゴー号の冒険の件に登場する、黒海沿岸の国コルキスの王の娘にして魔女。
薬草の知識に秀で、眠りや若返り、無双の力を得る術などを知っていた。
アルゴー号の一行を率いたイアソンを愛し彼に尽くして父や国をも裏切るが、やがてイアソンの心は離れて別の女性の元へ走られてしまう悲劇の女性。

ヨハン・ゲオルク・ファウスト

通称ファウスト博士。
ゲーテの戯曲「ファウスト」のモデルの一人となったドイツの神学者、占星術師にして錬金術師。
15世紀から16世紀にかけて活動し、高名な医師でもあった。
錬金術の実験中の事故による爆死と言う凄まじい最期を遂げたと言われている。

安倍晴明

平安時代中期に活躍した日本最大の陰陽師(天文博士)といわれる人物。
出生地も諸説あるなど出自には不明な点も多く、つまりは恐らく低い身分の出でありながら最終的には従四位下、左京権太夫まで登り詰めている。
母親は狐であるという伝説も持つ。
また、この晴明を実質的な祖として安倍氏土御門家が興り、徳川政権下では陰陽師やその技術を取り仕切る地位を独占し権勢を振るった。

加藤保憲

荒俣宏の小説「帝都物語」及び同シリーズの主人公。
"魔人加藤"と呼ばれ、帝都東京の破壊を目論む。
陰陽道、奇門遁甲、風水などあらゆる呪術に精通し、式神を操り剣術にも秀でる。
原作小説だけでなく映画版で演じた嶋田久作のイメージが鮮烈で、後に加藤をモデルとしたキャラクターが数多く生み出されている。

張角

後漢末期に道教の一派である太平道を起こした道士。
南華老仙から授かった「太平清領書」を用いて仙術を習得し、病に苦しむ人々を救ったという。
後に天公将軍を名乗り、兄弟と共に重税や天災にあえでいた民衆を救済するべく黄巾の乱を起こす。
太平道そのものは乱の失敗と張角たちの死により消滅するが、中国ではこの後もこれに倣い度々大規模な宗教反乱が起きる事となり、その嚆矢となった人物でもある。

蘆屋道満

安倍晴明と同時代に活動したとされる在野の陰陽師。
創作ではヒーローの晴明に対する悪役として描かれるが、実際にそのような対立があったかは定かではない。
ただし当時の陰陽師は公的機関である陰陽寮に所属し公家に仕える国家公務員であり、庶民を相手にする在野の陰陽師はいわばモグリの存在であったため、そういった軸に起因する対立は存在していた可能性はある。